躓いたことを無かったことにする

Essay

躓いたことを、まるで何事も無かったかのように不自然に振る舞う人がいる。

そんな人を何度も目撃してきた。

気持ちはわかる。

だけど、もう少し自然な形でその羞恥心をカバーできないものか。

道端で躓いてしまった時、一瞬にして3つのことを考える。

・誰かに見られたか
・そこに何が在ったか
・全然気にしていないという様子を演出したい

この3つをまとめて叶える方法がある。

振り返り、足元を見て「なんだ?」という顔をしたのち、

すぐに真顔を取り戻し、全くペースを変えることなく歩き続けることだ。

大抵そこには何もない。

少しの段差すらないのだ。

しかし、振り返ることで周りの様子を一見でき、

万が一私を躓かせた何かがあれば確認できる。

何より、「あぁ、あの人、何か障害物に躓いたのだな。」

と思わせることができる。

どれくらいか進んだら、くしゃみかあくびをすると尚よい。

「こちらリラックス状態。先ほどのことなど微塵も気に留めちゃいない。」

という様子を演出できる。

人間は、己の意のままに、自らを偽り見せかけることができる。

と聞いたことがある。

いささかの動揺もない。全くの平常心であると、心いっぱいに己を統制する。

誰も見ていなかったりもする

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